心を伝えるネット安全教育

〜愛媛の情報教育10周年記念号投稿文〜
当時:Cyber Guardian Angels JAPAN 担当として活動時の記録
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その7

 

 代々木オリンピック記念会館の会場入り口には、当時池袋のパトロールリーダーをしていたラックが待っていてくれた。

 「お帰りなさい」そう言ってNさんたちを迎え入れてくれたのだ。

 会場へ入ると、理事長の講演が行われていた。

 私達に気付いた理事長はそこに集まっている全国の仲間に紹介してくれ、あっという間にNさんの周りには、メンバーが集まって挨拶をしていた。

 「ようこそ」

 「お帰りなさい」

 「よろしく」

 「おっす」

 それぞれがそれぞれの挨拶を交わしている。

 そこには、性別や年齢の差はなく、同じ仲間として、人間同士の触れあいがあったのではないだろうか。

 その日最終便で栃木へ戻るNさん達を、東京駅へ送ることになったが、渋谷地区のメンバーであるピアス(彼の耳には大きなピアスがついている)が彼女に渋谷の街を案内して東京駅まで送ってくれるということになった。彼女もピアスと渋谷を歩いてみたいと言う。

 彼は辛い過去を見せることなく、夜間学校に通いながらボランティア活動を継続している当時16歳のメンバーであった。

 Nさんは多少心配していたようであるが、私はピアスに絶対の信頼を持っていたので

 「大丈夫です。東京駅で待ちましょう。」と言い、東京駅でピアスと彼女を待つことにしたのである。

 約束の時間どおり、ピアス達は東京駅に戻ってきた。

 彼女は片手にジュースのコップを持っており、その顔は、朝初めてあった時とは全く違う明るいものに変わっていた。

 動き出した列車を最後まで見送りながら、彼女が強くなってくれることを祈っていた。

 平成15年度警察庁の統計によると、インターネットに絡む青少年問題のほとんどが出会い系サイトにあると発表された。その被害者は、小学生から高校生まで広く、性別に見ると99パーセントは女子生徒である。

 平成16年に長崎県で発生した事件も、チャットが原因と言われているように、非言語コミュニケーションの誤解があるが、その原点は、人間同士、友達同士のコミュニケーション不足と思われて仕方ない。

 いわゆるインターネット技術は、ナイフや道路を走る車のように、とても便利な物であるが、その使い方を間違えると、一瞬で凶器に変わってしまうものかもしれない。

 しかし、時代の流れを見ていると、今後インターネットは人類の生活に無くてはならないものになるだろう。

 その中で、「怖いから使わせない、危ないから使わせない・・」ではなく、その怖さを回避する力を教えることこそ、我々大人の役目だと思っている。

 交通安全教育があるように、防犯教室があるように、インターネット安全教室が必要不可欠であると感じている。

 とても便利で、簡単なものなんだ。使い方を間違えなければ。そう教えたい。

 私達はNECの協力を得て、平成16年内に日本全国あらゆる場所で、インターネット安全教室を行ってきた。これで万全というのではないが、この教室に参加してくれた子ども達が、5年後、10年後に巻き込まれるかもしれないトラブルの中で、その日教えた事の一つでも思い出してくれたら、その一歩を踏みとどまり、トラブルを回避し、若しくはトラブルを引き起こさないであろうと信じている。

 


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